2017年10月20日

2016/2017を支配した5つの戦術トレンドについて考察※動画あり※FIFA20 使用感


戦術パラダイムシフトは常に進化し続けております。

昨シーズンはグアルディオラのバイエルンだけが無人の荒野を切り拓く“未来のチーム”だったが、わずか1年という驚くべきスピードで“ペップ・コード”が感度の高い指導者たちにキャッチアップされ、欧州各国で新たな挑戦が始まっています。

攻撃と守備の局面で最適な形にフォーメーションを変化させる「可変システム」
ピッチを5つに分割して縦のレーンをすべて埋める「5レーン理論」
後方部隊とアタッカー部隊に前後分断しMFゾーンを空ける「中盤空洞化」
ゲーゲンプレッシングを軸にしたハイテンポの攻守で敵を窒息させる「パワーフットボール」
ゾーンディフェンスの原則の中で最前線から1対1で人を捕まえに行く「進化型マンツーマン」

これら5つの戦術トレンドは、いずれもグアルディオラサッカーのエッセンスが含まれているが、単純なコピーではなく、監督の個性や国のカルチャーに基づいたプラスアルファのオリジナリティが加えられている。
一人の革命家の時代から総開拓者の時代へ。
佳境を迎えた16-17シーズン、欧州サッカーの最前線が今熱いです。





@可変システム
ランチとディナーは別の服装で。攻撃と守備で最適布陣を追求

ATREND 2 5レーン理論
ゾーンの4バック攻略法。新たな発想が2つの革新を生む

B中盤空洞化
異端者たちが切り拓いた新たな地平。回り回ってウイングが復活する

Cパワーフットボール
コントロール不能のカオスを演出。「動物の群れ」がウサギを襲う

D進化型マンツーマン
ゾーンの枠組みで1対1を作る。守備の可変システム



そんな中で世界のサッカーの戦術のトレンドは、攻撃においてはコレクティブにポゼッションサッカーを志向し、アタッキングサードでも多くの関わりと選択肢を持ちながら意図的に突破を図ることがトップトップのレベルでは多くなってきています。

守備においては、前線の選手からチーム全体で連動してボールを追い込み、連携しながら奪いどころを意図的につくりだしてボールを奪うということがトップトップのレベルでは多くなってきています。

欧州選手権(UEFA EURO 2016)のセミファイナルでフランスがドイツを下した試合に象徴されるように、2015-16シーズンの欧州サッカーは4-4-2の復権が目立った。ボール支配率はドイツ65%、フランス35%。ボールを相手に持たせたほうが勝った。世界最高の水準でも、相対的に力量差があれば、どちらか一方は相手をリスペクトした戦術を採用するものだが、それをより洗練させたと言えばいいのだろうか。ブロックを組み、リトリートしての堅守速攻。4-2-3-1、4-1-2-3、4-1-4-1、3-1-4-2の流行があり、最終ラインと中盤ラインがフラットな4-4-2はひと世代前のフォーメーションとなっていたが、レスターとアトレティコ・マドリーが新しい波を立て、フランス代表がEUROの舞台であらためてその有用性を示した結果を出した。

 サッカー界において、アリゴ・サッキが率いたACミランのゾーンプレスは、オランダ代表とアヤックスのトータルフットボール以来の革命的な出来事だった、頑健な肉体と鉄の規律でプレッシングを繰り返したこのスーパーなチームが採用したのは4-4-2だった。以後、対抗策が生まれ、そのまた対抗策が……と、最新の戦術は次々に変化していく。両サイドを二枚で塞ぎつつトップ下のスペースを埋めた4-2-3-1、アンカーを中心とした扇型の布陣で相手にプレッシャーをかけつつボール支配をもくろむ4-1-2-3など、フォーメーションは単なる初期配置ではなく、戦術や個々の機能と一体化したシステムの代名詞となっていく。ティキタカ(テンポのいいパス廻し)、ゲーゲンプレス(意図的に相手に持たせて高い位置で奪い返してのショートカウンター)など、現象面でもっとも目立つ戦術用語と組み合わせると、おおよそのチーム像が浮かんでくるという寸法だ。フォーメーションとは、戦術を入れる器とも言えるのかもしれない。

 そして現在の4-4-2。イタリア人のクラウディオ・ラニエリ、そして現役時代はイタリアのインテルで活躍したアルゼンチン人のディエゴ・シメオネが、それぞれレスターとアトレティコ・マドリーでこのフォーメーションを採用し、脚光を浴びた。戦術的に時代遅れとされつつあったイタリアの系譜から、ふたりの名将が出現したことはサッカーファンとしては大変興味深い事象である。戦術の新しさとは、結局はほかの誰かがやっていないものをやること、最新の戦術への対抗策であるからこそ、古い戦術がひとまわりして再び流行するというのは、ありえることだ。もちろんそれは、ただ古いままではなく、一段階の進化を遂げつつ、ではあるが。近年にローマやバルセロナで話題となったゼロトップシステムも、もとを辿ればヨハン・クライフやヨハン・ニースケンスが“所在不明”であったオランダ代表(1974年)の姿と言えなくもない。似た発想。時代は繰り返すのだ。
posted by よしき at 21:21| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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